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TOKY Staff Blog
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インタビュー

Interview06 / 一般財団法人 進化生物学研究所 橋詰二三夫さん

2017.06.29

植物界のキーパーソンにスポットを当ててインタビューする企画、第6回目。

今回は世田谷にある一般財団法人 進化生物学研究所の橋詰二三夫さんです。
マダガスカルの南部にある多肉植物から進化を辿ると言う植物マニアなら涎モノのロマン溢れるご職業の橋詰さん。皆さんご存知のバオバブ、アローディア、ユーフォルビアなどの知られざる秘密に迫りたいと思います。

 

橋詰二三夫さん
世田谷にある進化生物学研究所研究員である橋詰さん。
主にマダガスカルの南部の乾燥地帯を中心に多肉植物を皮切りとし、生物の進化を辿る研究を行っています。
年に数度マダガスカルに渡り自生する植物と現地に住む人達に接しマダガスカルの文化を深く知る橋詰さんの貴重なインタビューとなりました。
一般財団法人 進化生物学研究所

 

 

DSC02053進化生物学研究所内のバイオリウム内では橋詰さんが植物について詳しく説明してくれました(手前緑色のジャンパーの方)

 

 

 

ー橋詰さんの職業内容を教えてください。

 

多肉植物研究室の研究員となっています。

 

役割としては研究所内の学芸員、いわゆる博物館の指導員のような位置づけとなっています(実習生に対して指導を行うような立場)。

 

研究者としての研究対象としましてはマダガスカルの南部に生息・自生する動植物を専門に研究しています。

 

 

 

ー「生物の進化」と聞くとガラパゴス諸島を思い浮かべてしまうのですが何故その対象がマダガスカルなのでしょうか?

 

1960年代にその当時の所長である近藤典生さんがアフリカの動植物を研究していく中で日本ではまだ未知であったマダガスカルを調査するという流れになり、豊富な生態系を育む同島をベースに生物進化の研究を行うようになったと聞いています。

 

 

DSC02016バイオリウム内の順路(右から回ると)を辿るとマダガスカル、アフリカ、メキシコなど乾燥地やボルネオなどの熱帯雨林を廻るコースを回ることができます。

 

 

 

ー現在植物を中心とした積極的に研究していることなどあれば教えて下さい。

 

現地の人がむやみやたらと伐採、焼き払ってしまった多肉植物のアローディアなどで出来た森林を「どのように再生させるか?」などの91年より研究所が行っている森林再生に関する試みに力を入れています。

 

方法としましては、現地調査の情報を元にこちら(研究所内)で手法を考えて現地のマダガスカルで実践する、ということが主となります。

 

ただ、現地にもリレーションをとっているマダガスカル人の専門家がいますのでオンラインでの情報のやりとりなども行い現地にいかずとも森林再生に関する活動を行うことができます。

 

まぁ森林と言っても日本で言うところの木本化の樹木ではなく多肉植物がほとんとですけどね…笑。

 

 

forestアローディアとユーフォルビアで構成された森。マダガスカルの人にとっては日本で言う雑木林など普通の森という感じでしょうか。

 

 

 

ー次にマダガスカルに行く予定などはあるのでしょうか?

 

2017年の7月の下旬に3週間ほど行く予定です。

 

私は英語などは話せませんがマダガスカル語をある程度話す事ができますので割と長期滞在での研究も可能です(マダガスカル語を聞いてみたいな…と思いましたが恥ずかしいので聞くことは出来ませんでした 笑)

 

あとは当研究所が母体となってるボランティア団体のサザンクロスジャパンという協会があるのですが、マダガスカルの森林復元活動に参加希望の高校生をマダガスカルに連れて行こう、ということになっているので私が同行することが1番早いと思いました。

 

 

 

house原住民アンタンドロイ族の家。こんな所に日本人が行って大丈夫なのか?と心配になります。ちなみに家屋の建材は木本性多肉植物のアルオウディアプロケラ(Alluaudia procera)の心材が使用されているという貴重な1枚。

 

 

 

ーちなみにマダガスカルの治安や情勢はどのような感じなんでしょうか?

 

正直なところリアルタイムで状況が変わるので「よく分からない」ということしか言えません。私自身は危険な目に合っていませんが、合わないよう、現地での情報収集に気を使っています。

 

ただ、先進国や大規模な観光地と同じような感覚で旅行するのは危険だと思います。

 

例えばマダガスカルの現地のお墓の回りにはモリンガ・ドロウハディ(moringa drouhardii)という多肉植物が植えられていますがこの植物には近づかない方が無難です。

 

お墓の守人のような意味合いで植えらることが多く、一見バオバブのようにも見えますので興味本位で近づくとお墓の敷地内に入ることになってしまいがちです。

 

それをもし現地の人に見つかったら深刻な問題になります。外部の人間が、もっと言えば血縁関係ではない人間が敷地内に進入するとそれを牛の血を用いて清めるためです。

 

牛一頭、もしくは複数頭の血で清めるためその牛の代金を請求されます。物価の大変安い国ではありますが牛を複数頭はかなりの痛手となりますし敷地内に入られた現地人がどのような対応を取ってくるのか予測がつかないからです。

 

特にお墓の回りは禁忌の地となっており貴重な植物が豊富に残っている場合が多いのです。それらを見極めるためにはモリンガは逆に目印となりますので見つけたら近づかないのが無難でしょう。

 

 

moringaお墓の回りに植えられたモリンガ・ドロゥハディ(Moringa drouhardii)。非常に魅力的なボトルツリー形状なので思わず近くで見てみたくなりそうですが近づかないで下さい。

 

 

ー他の植物に関する情報などはありませんか?

 

日本でも人気の多肉植物アローディアなどは現地では木材の代わりとして使われるために大きな個体は特にですが数が激減し深刻な問題となっています(森林再生と深くリンクする部分)。

 

矛盾するようですが現地人は草木が邪魔な場合はすぐに火を付けて勝手な焼き畑をしてしまうんですね(ちなみに焼き畑は禁止とされていますがそこは「見つからなければ大丈夫」といういかにもな理由で焼き畑はなかなか減らないそうです)。

 

現地の人は日本人のように計画的に焼き畑をするわけではないので結果として自然の力で鎮火するまで燃やし尽くしてしまっています。

 

私たちが見たら中には貴重な植物も時には含まれますが彼らは「まだたくさんあるから大丈夫」という考え方なので現地人には「資源が無くなる」という概念自体が乏しいのが現状です。

 

 

あとユニークなのはユーフォルビアの活用法ですね。

 

例えば樹液の毒を魚毒として使って漁をします。使われるのはユーフォルビア・レウコデンドロン(Euphorbia leucodendron)で幹を傷つけて白い樹液を川に流し麻痺させて漁をします。

 

 

euphorbia_01川を塞き止めて樹液で行う漁。これで採った魚を食べたくないのは私だけでしょうか…汗

 

 

そして家畜のエサとしてもユーフォルビアが使われます。日本でもたまに見かけるユーフォルビア・ステノクラーダ(Euphorbia stenoclada)は牛のエサとなります。

 

一般的に毒性の強いユーフォルビアを食べるなんて信じられませんが平気で食べていますね。

 

 

euphorbia_02この牛のミルクや肉を食べたくないのは私だけでしょうか…汗

 

 

ー現地と日本でギャップを感じたことなどありますか?

 

有名なバオバブなどは良い例かもしれませんが日本人は「巨樹信仰」が強いと考えられているのですがマダガスカル人にはそういう考えが一切ありません。

 

あくまでもクワやブナみたいな”普通の木”の感覚なんですよね。大きいから大事にしているからというとそんなことはないし粗末にしているかというとそうでもない。

 

本当にただの木としか見ていません。ただ葉が食料や薬になるので生活に密着していることは間違いありません。

 

 

baobabバオバブをバックに現地の子供達と交流する若かりし頃の橋詰さん。

 

 

ーとても貴重な動植物が伐採や焼き畑、そして我々が趣向品として乱獲することに関してどう思われていますか?

 

私たちで言えば1番分かりやすいのがワシントン条約などがその大きな基準になりますよね。

 

当然ながら現地人にその話をしても通じませんし上記でもお話しした焼き畑の部分と通じますが「こんなに焼いたり伐採したら無くなってしまうよ」と彼らに言っても「まだたくさんあるから大丈夫」という考え方ですからなかなか伐採や焼き畑は無くなりません。

 

ただ、アローディアなどは材木や板などと同じように伐採され加工されているわけですが大きな材料となる巨木が無くなっていることには危機感を覚えているようです。

 

たくさんあるけれど使えるものが減っている、という感覚ですね。あくまでも貴重なものとかそういう観点では捉えていません。

 

彼らと私たちの植物に関する価値観は全く違います、例えば自生している奇怪な植物に関して彼らは特に何も感じませんが“そこにないもの”外来の動植物には非常に興味を示し特別に奇異な目で見たりします。

 

それは私たちがドクダミやヨモギを見ても何も思わないのと同じかもしれません。

 

 

baobab_02牛のエサにするために無残にも切り倒されたバオバブ、アダンソニア・ザ(Adansonia za)。無残という価値観も私たちの特有のものだと考える必要があります。

 

 

ーじゃあ現地に自生する植物、例えばパキポディウムなどを趣味として生育している人なんていないですよね?

 

これが面白い事にそういう人もいます。ただ、私が研究する南部の乾燥した地域ではなく例えばマダガスカルの中心であるアンタナナリボなどでは趣味家のような人も存在しています。

 

パキポディウムを庭やプランターに植えて鑑賞したり、ただ、それは基本マダガスカルの中でも一部の富裕層の人達だけなので希なケースと言っても過言ではないです。

 

後は厳密なことを言うと、山で採ってきたパキポディウムを所有することはWWFの規定では厳しく罰せられます。マダガスカル国内でも自生地を荒らすことに相当する行為は禁止です。

 

ちなみにパキポディウムなどの多肉植物を実生している人もいますが(マダガスカルの研究員の方もやられているそう)それは基本的に農家や研究者、あとは極一部の富裕層の人間だけだと思います。

 

ただ、そういった富裕層の人間が多肉を生育することとは別に、単純に花を愛でたり育てたりする習慣はどの街や村を見てもあるのでその辺りの感覚は世界共通と考えています。

 

 

 



 

 

ー諸外国の為の自生地の植物を山採りすることに関してはどう思われますか?

 

あまりにも公に、大量に自生地のものを採っていたらWWFが黙ってはいないと思います。CITESに属するものなどはそういった過去の歴史を物語っています。

 

ただプラントハンターや現地のナーセリーの人たちもその辺りは上手くやっていて一度山採りした植物をナーセリーで管理することによって「これは山採り植物ではありませんよ」と言う形を取っている場合もあるそうです。

 

私の立場ですと山採りの善し悪しを言う立場にありませんし山という資源をお金に換えることは決して悪いことではありません。

 

ただ採ったとしても“山の資源を減らさない”と言うサイクルがある前提、もしくはそういったことを作った上で山採りをするべきと考えます。

 

ちなみに人気のあるオペルクリカリア・パキプスなどは自生地にあるにはありますが趣味家が欲しがるような立派な樹形やずんぐりしたものは乱獲されかなり少ないです。

 

いかにマダガスカルという地であれど多肉植物が立派な樹形に育つのにはそれなりの年数が必要です。

 

特にオペルクリカリア・パキプスなどは痩せた石灰岩の土地に自生していますので樽のような、球形の様な形に育つまでは気が遠くなる年月がかかるはずです。

 

だから先ほど言った“山の資源を減らさない”というサイクルは成立していない、できないでしょうね。

 

それをさまざまなプラントハンター達が乱獲していたとしてもそこに対する個人的な想いはあったとしても立場上語るべきでは無いと考えています。

 

 

DSC02062中央に地植えされた枯れた葉が不気味な通称:巨人アロエ。アロエ・バオンベ(Aloe vaombe)。橋詰さんは特に「これ」という固有の植物が好きということは無いそうですが栽培場にもたくさんあったことやバイオリウム内でも幾つか見かけたのでバオンベに関しては好きそうな印象を受けました。

 

 

ー何か個人的に好きな植物などありますか?

 

「一つのこの種類が好きだ」という事は特にありません。私は研究者なので例えば1㎡四方の中に自生するいわゆる「同所性」、属や科が異なる植物たちの相互の関係性を調べて知る、と言うようなことが好きなのです。

 

同じ場所にいるのにどうやって種として独立をしているか、その場合開花時期をずらしてポリネーター(送粉者:花粉を運ぶ虫や鳥などの事を指す)との関係はどうなっているか、など。

 

 

DSC02078ポリネーターであるスズメガ、パキポディウムなどの花びらに高さがある花などはこう言った長い管を使って蜜を吸うそうです。

 

 

私が知りたいのはそういった同所性であるとかその中でどのようにお互いと繋がりその中で個として成り立つことが出来るか、それらが進化の過程で作り上げられる“関係性”を調べることが面白いのです。

 

パキポディウムなど「なんでわざわざ岩の隙間に生えてるの?」ってことありますがあれは逆に言えば他の植物が少なく日の光を取りあう生存競争が少なく「生きていく上で最適だった」だけとも言えます。

 

かといって少しでも場所を変えるとそれらの植物は全く生えていなかったりします。自生する場所にはそれらが生えるなんらかのトリガーがあるのですが同じ場所であっても一度採ってしまうと二度と生えてこないこともあります。

 

何が原因となってそのトリガーが崩れるかも今はまだ分かっていません。

 

 

 

ちなみに全然関係ありませんが高山性のパキポディウム・ブレビカウレ(和名は“恵比寿笑い”)などは自生地に行くと辺り一面ブレビカウレ、なんてこともあります。

 

歩くのに邪魔なので本音で言えば蹴っ飛ばして歩きたかったですし少し踏んで歩いたような… 笑。

 

 

 

 

雑記

 

研究者という立場の橋詰さんのお話しでしたので専門用語も多く読み解くのになかなか時間を要しましたがかなり密度の濃い記事を書けたと思っています。

 

一般の方が入場できる場所は展示室とバイオリウムのみですがそれでも「東京にこんなところがあるのか!」と驚かれることは間違いないと思います。

 

今回のインタビューの実現にはTOKYで取り扱う用土 best soil mixを販売するBANKS CollectionのCEOである栗田さまのお力添えがあったことをこの場でご報告と共に御礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございました。

 

事前予約すれば橋詰さんがガイドを務めるバイオリウムツアーにも参加できますのでより詳細に知りたい方は是非ご予約をしてみてはいかがでしょうか?

 

 

DSC02076右が今回お話しを伺った橋詰さん。左の眼光が鋭い紳士がBANKS Collection CEOの栗田さんです。

 

 

DSC02038バイオリウム内に地植えされたバオバブ。橋詰さんは「内部が柔組織の水ぶくれの木」と表現していたのが印象的でした(多肉植物ですからその表現は正しいんでしょう)。

 

 

DSC02057バオバブの樹皮をめくると強烈に緑の肌が。いわゆる“木”との大きな違いで葉がなくとも光合成が可能です。

 

 

DSC02033人気のオニソテツもあります。これらも地植えにしたらかっこよさそうですがとんでもないことになりそうです。

 

 

DSC02042マダガスカルから南アフリカを廻ると今度はメキシコのブースが見えてきます。巨大なサボテンの奥には東京農大だけにアガベの“農大No.1”が鎮座しています!!

 

 

DSC02022バイオリウム内の人気者、通称:「イグアナさん」にご飯をあげる橋詰さん。

 

 

DSC02085かなり立派で近代的な施設となっています。

 

 

展示室とバイオリウムはどなたでも無料で閲覧が可能ですので是非行って見てください!!

 

・住所:〒158-0098 世田谷区上用賀2-4-28
・営業/開園時間:4~11月:10:00~17:00(入館は~16:30)、12~3月:10:00~16:30(入館は~16:00)
・休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、月末の火曜日、大学が定めた休日
・ホームページ:東京農業大学「食と農」の博物館・バイオリウム

 

 

Interview05 / BANKS Collection 杉山拓巳さん

2017.04.28

植物界のキーパーソンにスポットを当ててインタビューする企画、第5回目。

今回はTOKYで販売する特別な用土、best soil mix の開発者でありBANKS CollectionのCOOを務める杉山拓巳さん です。

他のどこにも染まらない独自の視点で作られるプロダクト数々、そして植物の生産。

best soil mixのまだ語られていない真実にも迫ります。

 

杉山拓巳さん
生産者であり園芸家、そして自身では「熱帯植物栽培家」と名乗る杉山さん。
広大な温室にちりばめられたとてつもない数のきらめく植物たちを見るだけでも只者では無いと分かる。
今までの植物の常識を鵜呑みにせずにユニークで理論的なアプローチで生育を行っています。
BANKS Collection

 

 

広大な広さの温室で杉山さんが色々教えてくれました。お話しがとても面白いんです!

 

 

 

ー杉山さんの職業を教えてください。

 

ざっくりと言うと植物の生産を行っています、自分では熱帯植物栽培家と呼んでいます。

 

たまに園芸研究家と呼ばれることもありますが研究はしていないのでそれは違うと思っています。

 

植物の歴で言えば30年くらいだと思います。

 

 

 

DSC01907サトイモ科のアンスリウムは一昨年まで6万鉢、今年は2万鉢程度出荷するそうです。

 

 

 

ー植物をはじめられたきっかけは?

 

父親が植物の趣味家だったこともあり小さい頃から色々なお店に連れて行かれ大人達の植物談義を聞いているうちに興味が沸いてきました。

 

先日小学校4年生の頃に書いた「30歳の自分へ」という手紙を発見し読んでみたら「30歳の僕は植物の交配をしていますか?」と書かれていました 笑。

 

実際やってましたからある意味小学校4年生の僕は先見の明があるなと…笑。

 

 

DSC01899根伏せから5年で作られたオペルクリカリア・パキプス。杉山さん曰く「普通です」普通じゃありません。

 

 

 

ーBANKS Collectionはどういう会社(団体)ですか?

 

簡単に言うと「園芸の世界をもっと良くする会社」ですかね。

 

「もっとこうしたらいいのに」という、輸入なり生育なり、現代の園芸における自分たちなりの疑問点を解決をするための会社がBANKS Collection (以下BC) という位置づけだと思っています。

 

あとは製品を作るというところで言うと「今無いものを作る」ということを意識しています。

 

海外から色々と使えそうなアイテムを輸入してカスタマイズしてみて使えるか使えないか、などトライアンドエラーを常に繰り返しています。

 

一応人から聞かれると最近は「園芸総合商社」と言うようにしています。

 

 

 

BCのオリジナル商品「バイオマスプレート」に着生したティランジア イオナンタ ’フエゴ’の群生株たち。しっかりと着生させるまでは1年ほどかかるそうです。それにしても美しいですね。

 

 

 

ー会社を作ったいきさつを教えてもらえますか?

 

元々はBCのCEOである栗田が高校の同級生の務める会社の取締役だったんです(胡蝶蘭を取り扱う会社)。

 

その栗田がたまたま僕の温室に植物を見に来た次の日に経営計画書が送られてきて 笑。

 

「僕なら3年後にこうできます〜」みたいなことが書かれていました、、汗。

 

ただ僕は僕で会社を作ろうと思っていてそれに向かって動いていたのですがなかなか重い腰が上がらなかったこともあり栗田の方からそれであれば対等な立場で会社経営をしないか?という提案があったので受けることにしました。

 

会社を作ると決めた4日後に何故かTV番組「マツコの知らない世界」からオファーをいただき色々と加速した感があります。

 

 

 

水栽培された巨大なティランジア。「普通はやらない」ということを鵜呑みにせずに常に疑問を持って生育をしているそうです。

 

 

 

ー植物の生育について実践していることや考えていることを教えてもらえますか?

 

例えばチランジアの水栽培、普通の人はやりませんがこれで栽培すると通常の生育に比べて何倍ものスピードで大きく育てることができますし見ての通り株姿に支障がでることもありません(根が生い茂るチランジアに抵抗がある人はいるかもしれませんが…)

 

あとはビカクシダなど、今の主流として柔らかく作ってサッと根を伸ばす生育方法に疑問を持ちました。

 

僕は今best soil mixで育てたりもしています。

ビカクシダ(特に難物と言われるマダガスカリエンセなど)がダメになる大きな原因として「乾燥によるもの」という状態があげられます。

 

でもそこで「乾燥によるもの」って一体なんだろう?と考え直しますと根が収縮によって千切れると仮説しました。

そしてbest soil mixには根が収縮するような成分がほとんど入っていません。

 

best soil mix は徹底的に微塵を取り除いた硬質の赤玉土や鹿沼土を使っているため根が土に到達したところで土を壊せず分岐を促すため通常の水苔などよりも根の張り方が変わり分岐が多い根にします。

 

しっかりと根が張った状態で水の管理をしっかり行えば現状行われている柔らかく作る、というアプローチよりも丈夫で形良く作ることが可能と考えています。

 

 



 

 

——-

ここで話しがはずれてTOKYで管理しているマダガスカリエンセの子株をbest soil mixで管理したらどうか?という質問をしました。

 

問題なく生育できますが水苔と違う水やりを行う必要があるのでコツが必要なのと腰水管理をするとbest soil mixに染みこませてある成分が溶け出すので注意が必要、とのことでした。

 

そして杉山さん曰くその際のベストな水やりとして表面の1cm程度が濡れるような水やりを始め徐々に深く水やりをするといいそうです。

 

まずは地表から1cm部分にしっかりと根を張らせ少しづつ下げて行くことで全体にしっかりと根を張らせることができるそうです。

 

ただそれだとすぐに乾いてしまうので一日に何度が水やりが必要なようですので普通の人にはあまりお勧めできない、とも仰っていました。

 

TOKYは管理場を空けることもあるので普通に1日1度ほどの水やりを行おうと思っています。

——-

 

あとはチランジアの人為的な変異やそれらの固定作業の話しをお聞きしましたが正直かなり難しくここで書くことができないので詳しく知りたい方は「熱帯動植物友の会 会報」をご覧ください、と言いたいところですが現在は会員募集を行っていないようですね。

 

 

 

DSC01976出荷を待つbest soil mixたち。

 

 

 

ーお話しの中で出てきた用土 best soil mixについてもう少し教えていただけますか?

 

この土を作るきっかけは例の「マツコの知らない世界」出演だったんです。

 

詳しくは言えないのですがあの番組に出演してそこで僕がある植物と土について発言したことによってとある方に怒られたんです。

 

僕は土をもっと固く作って根にストレスを与えてあげればもっと良い根が張れるのに、と思っていたのでこの機会にもっと真剣に土を作ってみようと思ったんです(文中でも触れている根が硬い土に当たって分岐することを指しています)。

 

まぁそのとある植物の事を悪くも言っていなかったのですが編集によってそう見えてしまったのもありましたがちょっと色々と証明する為に開発を始めました。

 

 

 

ーそこから本格的な開発がはじまったのですね?

 

そうですね、そこから自分の理想とする土や素材を探してトライアンドエラーを繰り返しました。

 

良い土や素材に出会いそして自分で配合するわけですがこだわった中の2つが「徹底的に微塵を排除する」「全ての工程において器具含めアルコール消毒を行う」ことです。

 

微塵は水やりで流れ出るわけですが全てが流れ出るわけではないので残った微塵により水道 (みずみち)ができてしまいます。その水道により細根を窒息させてしまうことがあったりしますので。

 

徹底的に微塵を取り除いた硬い土は根をドンドン分岐させます、本当は矢作砂や山砂などもっと硬いものを入れたかったのですがいかんせん、もの凄く重くなるのと植え込みがしにくくなるのでそれは断念しました。

 

軽石に関しては多くの用土にも入っていますがパーライトなどと違って水を吸い込むし吐き出す、という良い特性があります。

 

あとは表面に苔などが付いた場合それらが肥料分が多いかの目安になる。そして水やりをするたびに下に流れるという自然界の理と近い機能を果たしてくれます。

 

 



 

 

そしてこの土に関して他の方に真似の出来ない部分。用土全体に3種類の特殊な液体が染みこませてあり分かりやすく言うとその1つは「植物の化石」です。その他は企業秘密なのでお伝えすることはできません。

 

これらは微量なので成分表記する必要がないですし専用の機器でもってしても検出はできません。

 

ちなみにbest soil mixは僕が全て手作業で作っているのですが培養土屋さんに委託しようとお願いしたこともあったのですが工程があまりにも多いということで断られました笑。

 

と言うこともあり大量に作れるように機械を導入しましたので今後は播種・挿し木用や大鉢用の土を作って行きたいと思います。

 

 

 

DSC01942品種不明のハイブリッド パキポディウム。この大きさで実生2年目だそうです。

 

 

 

ー植物に関して現在実験していることなどありますか?

 

ずっとやってきていることですが植物を早く大きく作る「早生栽培(そうせいさいばい)」にはとてもこだわっています。

 

早く植物を作ることで出荷するサイクルも早めることができますし何より僕の作った植物のサイズ感と歳月を聞いて驚く人の顔が面白いというのもありますね。

 

先日植物を研究する某大学の教授が訪れた際に「え、そんな時間でこんなになるの!?」と驚いていてそれを見るのがわりと楽しくて…笑

 

でもやってることは至ってシンプルだったりします。例えば皆が嫌う徒長も僕は積極的にそのメカニズムを活用します。

 

葉が徒長して長くなったりするのは太陽光を受ける面積が増えるってことですから僕は敢えて徒長させたり葉を多くして「グワっ」と大きくさせたりすます。

 

あとは根の先端を乾かさない。これはなかなか伝えずらい部分ですので皆さんで考えてもらえればと思います。決してつねにビタビタにしろってことじゃないですよ 笑。

 

とにかく!誰よりも早く大きく、誰よりも早く花を咲かせて種を採る、ということにとことんこだわっています。

 

特に原種の植物は基本的にセルフで受粉して種が採れるはずですし、もっと言えば雌雄異株でも絶対的に孤立した状況になれば雄も雌になったり、その逆もあり得ると考えています。植物に絶対は無いんです。

 

ちなみにハオルチアは水苔栽培すると休眠せずにめちゃくちゃ生育早いです。そんなアホなことばかりしてます 笑。

 

 

 

DSC01930開花したビルベルギア オビ=ワン、親株はとにかくできる限り早く生育させて子株を出すことに注力しているそう。

 

 

 

ー最近の活動で面白そうなことがあれば教えて下さい?

 

若い子たちに夢を持ってもらいたいのもあって地元の農業高校と植物の色について今色々やっています。

 

アントシアニン(色素)を濃くして黒いハエトリソウや黒いサラセニアや黒いハオルチア・オブツーサ、もしくはピンクのオブツーサを作ることなんかにもチャレンジしています。

 

そこの実験室には今フラスコ内にアガベがたくさん入っていてそのうち見たことのないアガベをお披露目できると思います。

 

高校生たちが作った新しい植物が世界をざわつかせたりなんてしたら夢があって面白いですよね。

 

 

 

DSC01970肥料や活力剤をミキシングして灌水ができるスプレー、使い勝手もそうですが見た目の格好良さにもこだわります。

 

 

 

ー今後リリースされる予定のプロダクトを教えてもらえますか?

 

さきほども触れましたが用途別のbest soil mix、そして根を強靱にすることにフォーカスした活力剤。

 

活力剤は根の部分を皮切りに部位に絞ったものも細かく出して行く予定です。

 

あとは写真にもあるような肥料や活力剤をミキシングして灌水できるスプレー。

 

細かいところで言えば植物に害虫が寄ってこないようにする受け皿やヒートマットなどなど…色々です。

 

 

 

貴重なアデニア・アキュレアータもありました、今アデニアで色々実験しているみたいです。

 

 

 

ーこれから植物を栽培する人、もしくは現在栽培で悩んでいる人へのメッセージなどあれば

 

植物は根を育てるもの、要は基本見えていないもの。育てるにはイマジネーションがとても重要です。

 

教科書通りに育てたって上手く育たないことなんていくらでもあります。

 

頭の中で植物を栽培できない人は実際に栽培したらやはり上手くできないはず。

 

植物の可能性は一方向じゃなくて何方向もある、そしてそれらのほとんどはコントロール可能です。

 

それを自分の手で探るのが楽しいんです。

 

植物を育てる、というよりも「根を育てる」という風に考えてみるといいかもしれません。

 

 

 

 

雑記

 

TOKYがBCさんを知ったのは杉山さんと友人の法花園近藤さんの手引きでした。

 

「すごい土があるんですよ〜〜〜」という言葉に興味が惹かれ法花園のハウスに訪れ・・・そこからはあっという間に杉山さんの温室に導かれたような気がします。

 

インタビューをする中で何度も出てきた言葉「新しい」「今無い」などのキーワード。

 

深度やチャンネルは違いますがTOKYも同じようなことを考えて日々模索していると思っています。

 

たった数年の栽培歴とその10倍近く植物に費やしてきた人達ではやはり超えられない壁はあります。でもBCさんのような新しい考え方をする人達がいて正直とても嬉しかったです。

 

今後もBCさんとは色々プロダクト販売だけでなく仕掛けて行けたらと思っています。

 

 

 

DSC01961巨大なティランジア・イオナンタ!!ティランジアは葉数を輸入時よりも増やして出荷するというこだわり。

 

 

ここ実は打ち合わせスペースです、凄すぎます!

 

Interview04 / コタブロさん

2016.10.27

植物界のキーパーソンにスポットを当ててインタビューする企画、第4回目。

今回は植物関連のBlogとしては日本でも有数のアクセス数を誇るであろう「コタブロ日記」の管理者のコタブロさんです。

 

 

コタブロさん
多肉植物だけでは無く、ソテツやヤシなど多くの魅力的な植物に対して独自のアプローチをするコタブロさん。
そのBlogを見てもらえればとてつもないコレクターであり探求者であることは一目瞭然。
いち趣味家でありながら長く植物に携わることで培った技術をBlogでも紹介しているので是非多くの人に見て欲しい。
コタブロ日記

 

 

048シャイなコタブロさんは顔出しNGですがその代わりに素敵なお庭を…貴重なキフォステンマ・セイチアナがこんなに…羨ましいです。。

 

 

 

ーコタブロさんは何者ですか?(率直)

 

職業は内緒ですが、みなさんと同じように普通に働いているただの植物や動物が好きな中年オヤジです。

 

植物歴は30年くらいなので年齢は想像にお任せします 笑。

 

 

 

ー植物を始めたきっかけは?

 

子供の頃熱帯魚好きな友人がいて、その人が植物もやり始めて…僕もそれを見ていてやってみたくなりました。
近くに有名なサカタのタネさんがあったので自転車で良く行きました。

 

最近お邪魔していないので様子が分かりませんが、その当時は珍しい植物もたくさんあって自転車で行って見て帰ってくる…みたいなことを繰り返すようになってました。

 

確か最初に買った多肉植物はそのサカタさんで購入したユーフォルビア・オベサだったと記憶しています。

 

 

 

dsc01406コレクションの本当にごく僅かなお見せ出来るもの…目を懲らすととんでもないものが幾つも混じっていますね。

 

 

 

ーとても貴重な植物をたくさんお持ちですが何か秘訣があるのでしょうか?

 

欲しいものができるとすぐに行動を起こします!!

 

昔はPCなど持っていなかったので、園芸店まわりや趣味家訪問など、とにかく足を運んで情報を入手していました。
あとは熱意と執念ですかね。

 

これが欲しいと念じていると、不思議とそこに行きつくための最短距離の情報が飛び込んでくるものです。

 

そのようにしていろいろな植物を入手してきました。

 

 

 

061-3その昔に手に入れたというアデニア・エピゲア。今市場に出回っているものが本物かどうかは不明ですが、このエピゲアはTRUEエピゲア、本エピゲアなどと呼ばれておりこのエピゲアこそが本物だ、という方も多くいます。希少性は勿論ですが、グリーンの樹皮の上に半透明の砂糖菓子がコーティングされているようでとても神秘的です。マダガスカルの北部、赤道の近くに自生するそうで寒さにとても弱いそうです。

 

 

 

ー昔の多肉にまつわる面白い話を教えてもらえませんか?

 

今から15年ほど前にカクタス界の大御所の方々が集まってビッグバザールの前身にあたるような会が行われていました。

 

それぞれの大御所の方のところに集まっての品評会など、当然ビッグバザールほど人は集まっていませんでしたが異様なほどの熱気は今の多肉ブームよりもあったように思います。

 

そしてとても厳しい方が今よりもずっと多かったと思います。

 

例えば生産者や趣味家さんのところにお邪魔して勝手に鉢を持ち上げようものならその場で怒鳴られて追い返されるなんてことも。

 

その鉢の中で根がどうなっているか、底穴から出てその下のどこかに根を張っているものをちぎったりしたらどうするんだ?という事を言われ怒られた方もいたそうです。

 

昔の方は自分が作った植物に対して他人がどう接するかに対して今よりもずっと厳しいところがあったように思います。

 

最近植物をはじめた人達もそういう所を意識すると良いかもしれませんね。

 

 

 

ー他にも何か面白い情報があれば是非!!

 

それでは皆さんの好きなマダガスカルのパキポディウム・グラキリスやオペルクリカリア・パキプスのお話しを少々…

 

20年くらい前はとにかく今よりもずっと高額で希少でした。すごく小さな形も良くないグラキリスがとんでもない価格だったり。

 

dsc01405

 

当時パキプスは日本にほとんどなくて…これはKカクタスさんが3本だけ所有していたものの一つでした。

 

どうしても欲しくて…何度も何度も通い詰めてずっとお願いし続けてようやく売ってもらいました。価格も今よりもずっと高価でした。

 

現在は国内のいくつかの業者さまのお陰で安定して流通していますね。良いか悪いかは別として。

 

 

 

dsc01407作り込まれた植物たち、特にウィンゾリーはお饅頭のようでとても可愛いですね。

 

 

 

ー何故そのように形の良い植物を作ることができるのでしょうか?

 

特別なことは何もしていません。

 

夏型は夏は梅雨の時期も全て雨ざらしですし…ただ私が住んでいる地域はとても風通しが良い地域で、喘息の人なども空気が良いということで引っ越して来られることも多いそうです。

 

そう考えると植物を形良く作るには風というファクターがとても重要に思います。

 

 

1946コタブロさんの撮影されたタイの風景、シルバーのヤシがこれでもかとばかりに生えています。

 

 

 

ーコタブロさんと言えばタイというイメージがありますが、何故そんなに何度も行かれるんですか?

 

最初は植物を買いに行くために行っていたのですが、何度も行くにしたがって考え方が変わるようになって…

 

タイは植物の王国なのでそこには日本では見ることができないスケールの大きく美しい植物がそれこそそこら中に沢山あります。

 

今は買いに行くと言うよりも見に行っている…という方がしっくりきます。
私は植物以外にも、熱帯魚・昆虫や芸術・雑貨、寺院や歴史(写真撮影)、食べ物(特にスイーツ)、アクティビティなどなど・・・。
色々なものに興味があるんです。

 

タイという国はそれらのすべてがバランスよく存在する、とても魅力あふれる国と言えるでしょう。

 

それに何と言っても、バンコクは多国籍の人が雑多に集まる賑やかでエキゾチックな雰囲気が魅力的です。

 

反面、タイの商店街は私が子供のころに見た【活気に満ちあふれた昭和の日本】に似た雰囲気も感じられ、どこかノスタルジックな世界観が感じられるのも魅力の一つです。

 

あと何年かしたら以前の中国のように近代化が進んで、この雑多な雰囲気が消えて小奇麗な街になってしまいそうな気がして、今のうちに出来るだけ多くタイに行って、この雰囲気を心に刻み込んでおきたいと考えているんです。

 

 

 

img_2949芸術品のようなフォークイエリア・ファシクラータ、基本雨ざらしだそうです。

 

 

 

ー今お気に入りの植物を教えてもらえますか?

 

変な話なんですけど、今はとにかく栽培しやすくて丈夫な植物が好きです。

 

そうやって考えると見た目が好きで丈夫な植物…フォークイエリア・ファシクラータかもしれませんね。

 

今は増やしていないので昔買ったものがほぼ全てですが、長野のHカクタスさんで購入したこのファシクラータは宝物です。

 

スクーターで行って持ち帰った苦労もあって思い出も強いです(コタブロさんは神奈川県民です 笑)

 

あとはブラヘア・アルマータなどのシルバーヤシ、耐寒性もあって丈夫で美しい。言うこと無しです。

 

 

 

023信じられない程白く輝くブラヘア・アルマータ、羨ましすぎるお庭です。

 

 

 

ー何か生育する際のアドバイスなどありますか?

 

とにかく風ですね。風通しのいいところで生育する。

 

ほとんどの植物は風を感じることで締まって美しく育ちます。ハオルチアの栽培に関してもよく触ってあげたりする人がいますが、触れる事による刺激が植物を形良く作るんでしょうね。

 

あとはとりあえず頭でっかちにならないことが大切です。

 

学者肌の方やベテラン栽培家の方には怒られてしまいそうですが、植物栽培に関して現地の気候や土壌うんぬんを気にするよりも、日本の風土や植物に合わせて柔軟に培養土や栽培環境を作ってあげることが肝心だと考えます。

 

 

 

 

雑記

 

コタブロさんは私たちTOKYが右も左も分からない時からずっと助けてくれている恩人でもありお友だちです。

 

タイにご一緒させてもらったこともありますが、とにかくパワフルで行動的!言葉も通じないのに物怖じしない強いハートの持ち主です。

 

そしてとても紳士的で温和な性格…のようにも見えますがお若い頃のお話しを聞くとなかなかスパイシーな人生を送られてきたんだなと思います 笑。

 

とにかく私たちが今まで見た人物の中でも究極の凝り性のように思います。

 

グラキリス型のライトも全て手作り、しかも売り物ではない自分のために作ったスペシャルな一品!普通の人には絶対に無理だと思います。

 

dsc01402ライトも横にある亀の置物も手作りだそうです!

 

 

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Interview03 / ajianjijii (アジアンジジイ)

2016.10.11

植物界のキーパーソンにスポットを当ててインタビューする企画、第3回目。

今回はハイクオリティなビカクシダのマダガスカリエンセを生産されているajianjijii(アジアンジジイ 以下ジジイさん)です。

 

 

ajianjijii 
2016年春に行われた植物イベントWILDWOODにて多くの素晴らしいマダガスカリエンセの魅力を関西に伝えた。
趣味が高じて関東でマダガスカリエンセを増やし続けるその道の第一人者。
庭に作られたビカクシダ専用の温室など、とても生育に力を入れている方です。
現在はWILDWOODなどのイベントやオークションなどで不定期に販売をされています。

 

 

dsc01366自作温室の中で笑顔でマダガスカリエンセの魅力を語るジジイさん!

 

 

 

ーマダガスカリエンセとの出会ったきっかけは?

 

もともとはシダが好きだったんです。それを集めていてシダのことをネットで検索していて偶然コウモリランという植物を見たのが始まりです(この時はまだビカクシダという名前を知らなかったそう)。

 

 

そのとき実際に手にいれたものは名前がコウモリランとなっていて正式名称も分からないものでした。ちゃんと名のあるビカクシダが欲しいなとすぐに思いました。

 

 

そこでネットショップで検索しマダガスカリエンセやリドレイなどの子株を買ったのが始まりです。それから更にもう一つ買い足してそれらの子株がが増えて今に至ります(笑)。

 

 

 

ーマダガスカリエンセの魅力は?

 

圧倒的な葉脈ですよね。他のビカクシダには無い迫力と気持ち悪さ。

脳みその標本みたいにも見えるけれどそんなグロテスクなところも良い。

樹齢がいくと葉脈のボコボコがドンドン激しくなって更に気持ち悪くなるのですが、それがまた良いというか…笑

 

 

 

dsc01385たった2つのマダガスカリエンセから始まり今やナーセリー状態。圧巻です!

 

 

 

ー一般的には「難しい」と言われているマダガスカリエンセですが、生育の秘訣などありますか?

 

正直全然分からないんです。特別なことは一切やってないし…僕はただ普通に水あげて育ててるだけ(笑)。逆に皆さんが難しいという理由が全く分からないんです。本当にただ乾かさないように水やりをしているだけ。

 

 

やりはじめた時は会社務めしていたので毎晩バシャバシャに水をあげるという生活をしていました。たったそれだけです。ただもしかしたらその水のやり方が良かったのかもしれないですね。

 

 

今だから分かることもあるんですけど、鉢植えは難しいと思います。

板付にすれば上から水をあげても下に流れ落ちるので一定の水持ちになるのですが、鉢植えになると水を含み過ぎちゃう。

 

 

ポイントは“水持ちを一定にする”ことだと思います。

 

 

あとは肥料は一切あげないです。その代わりに雨水をタンクに貯めて灌水するのでそれがいいのかもしれませんね。そもそも自然界に肥料なんてないですし。

 

 

僕は枯れて腐った貯水葉の栄養を根が吸っていると考えているのでそれもあって肥料はあげません。

 

 

1度固形の肥料をあげてそれが水で溶けて胞子葉についてしまい葉が枯れてしまったこともあります。

 

 

 

dsc01361ロイ・ベールさんの文献。貴重です!!

 

 

 

ー現在に至るまでどのようにマダガスカリエンセのことを学んだ、もしくは研究されたのでしょうか?

 

ロイ・ベール(ROY VAIL)さんというビカクシダの第一人者の方の書籍を持っている人がいてそれを全ページコピーしたものが参考書です。

これを僕に貸してくれた方はしばらくして他界されたので何かを聞くこともできない。

周りに植物をやってる人もいないし誰にも聞けないからこれを参考に勉強しました。

 

 

しかも全部英語!

もちろん僕は英語が読めないので辞書で調べたりして悪戦苦闘しました。

あとは「ここはこうじゃないか?」という妄想の世界ですよね。

自生地は寒暖差がすごくて降雨量が多くて…じゃあこうやって育てたら上手くいくかな?とか。

 

 

でもそれらの積み重ねが今に繋がっていると思います。

とにかく妄想の世界に浸る!それが楽しいし前に進むきっかけになります。

 

 

 

ーその妄想の世界で一般的に知られて無さそうなことはありますか?

 

当然の如く知っている人もいると思いますが趣味家の僕の考えです。

 

 

マダガスカリエンセはマダガスカルの東海岸、標高の高い滝霧の多いところに自生しているらしい。

 

 

他のビカクシダの葉は星状毛に覆われていることが多いですがマダガスカリエンセにはそれがない。ということは日光を遮るものがあるということ、その役割を霧が補っているのではないかと考えています。

 

 

そして霧に包まれているから常に湿っている…

ボコボコとした葉脈には水が貯まり霧で遮光された太陽光をレンズ効果で光合成してるのでは?とか。

 

 

あくまでも妄想です(笑)。

 

 

 

 

dsc01357胞子からも育てています、良い感じに育ってほしいですね!

 

 

 

ーどこで販売されているのですか?

 

子株を取って増やしたものを売っているだけなので思っているほど数を出せないし、今のところはオークションがメインですね。

 

 

あとは育っても満足いく形と状態のものしか出さないのでそうなるとハイペースでは無理なんです。

 

 

そしてなんと言ってもヤフーオークションは楽しいんです!落札された方の喜びの声も聞けたりすると尚更です。

 

 

あと僕はプロじゃない。趣味家なので仕入れなども一切しないですし。

出た子株を育てて温室に入り切らなくなるので出品している。それだけのことなんです。

 

 

なので”WILDWOOD”みたいなイベントに呼ばれてタイミングが合えばそこで販売ってことはありますね。

 

 

 

ーお話しを聞いていると子株をたくさんとってれば誰でも出せそうにも聞こえますね

 

さきほども言いましたが子株って言ってもそれほど沢山でるものじゃないし…

日本全国には表に出ないだけで僕みたいな…僕よりも全然しっかりやってる人も多いはず…それでもそれほど出回らない。

 

 

ヤフーオークションなどで見ていても自分以外は出している人をほとんど見たことがありません。見るとすれば過去自分が売ったマダガスカリエンセから子株が出てそれを出品している人くらいです。

 

 

それであってもそんなに出てるワケじゃないですし…。やっぱり数が知れてる世界なんですよ。

 

 

輸入してまとまった数を流せば成り立つかもしれませんが、自分で育てて販売しようとするとビジネス的には成り立たちません。

 

 

 

 dsc01376温室内には自作の灌水システムが!貯めた雨水がチューブを伝って直接水やりができるようになっています。

 

 

ーマダガスカリエンセは幾つくらい所有されているのですか?

 

自分のコレクション含めると200株くらいです。

細葉と広葉の2つのマダガスカリエンセが増えて今に至ります。

 

 

マダガスカリエンセだけじゃなくて原種は全て揃っていますし、他の植物もありますので。

 

 

 

ー最後にこれからマダガスカリエンセを生育する人へのメッセージなどありますか?

 

 

とにかく乾かさない!!

 

 

とにかく常に湿らせてあげること。苔が芯まで乾いてしまうとすぐに死んでしまいます。

如雨露やドボンと水に漬けるでもなんでも良いので芯までしっかりと湿らせること。

霧吹きなどですと苔の芯まで水分が届かず弱ってしまうので注意が必要です。

 

 

あと板付が多いですが、それよりも本当に良いのはヘゴ板ですね。

僕が育てているものでもヘゴ板で育てるモノがやはりイキイキと育っているように思えます。通気性が良いので呼吸ができるんでしょうね。

 

 

ただ!通気性が良いと乾きが早いので常に湿らせてないとですぐに死んでしまう可能性もあるので、管理は板付の方がオールラウンドかもです。

 

 

他のビカクシダは乾いても耐えれますがマダガスカリエンセだけは別です。

とにかく絶対に乾かしてはだめです。常に濡れていないと。

 

 

そして自生地について自分なりに調べる!

今はネットで色々調べられるのですから、自生地を自分なりに分析して自分の家の環境に合わせてそれを用意してあげる

それをやることで植物に対する愛情もさらにますのではないでしょうか。

 

 

人に聞くのは簡単です。でもそれぞれの環境が違うのだから断片的な情報を得てもしょうがない。

それよりも自生地を調べて再現するにはこうかな?みたいな調査と妄想の世界に浸るのが大事だと思います。

 

 

 

 

雑記

 

もともとロイ・ベールさんの書籍を所有していた方は他界する直前までその本を握りしめていたそうです。その大事な本を娘さんから借りて全ページコピーを取らせてもらったそう。

 

そしてジジイさんは元々図面を描くお仕事をしていたそうで製本もお手のもの。コピーといえど普通の本のように製本されていたクオリティにも驚きました。

 

1番驚いたのはそのDIY精神。温室から灌水システムなど全てが手作り。

 

そして周りに植物を知っている人も皆無、ネットにも無い情報を地道に調べ上げ圧倒的な妄想力で自生地を再現するイマジネーション。

 

今のこのネット社会では適当な情報が適当に転がっていますが、ジジイさんの調べた情報、そして妄想はどこにも落ちていません。

 

私たちももっともっと勉強して調べ上げないとダメだなと痛感しました。

 

dsc01359ROY VAIL著 PLATYCERIUM HOBBYST’S HANDBOOK のコピー

 

 

Interview02 / WILD WOOD

2016.05.09

インタビュー企画の第2回目。
先日TOKYも参加しました新たな大阪の植物イベント [WILDWOOD]主宰の野本さん通称“ボス”からお話しを伺いました。

 

 

WILD WOOD
大阪に居を構えるDriftWood&SmokeyWoodの主宰が企画・運営する植物を主とした新たなるイベントの総称。
先日2016年の4月23〜24日の二日間、大阪の靫公園横のクリエイティブなイベントスペース[VADE MECVM(ヴェイディミーカン)]で行われました。
予想を遙かに超える入場者数となり入場制限により長蛇の列ができるほど。
会期が終わったあとも賞賛の声を多く聞き関西植物シーンの台風の目になったことは確実である。

 

 

IMG_2677向かって白いTシャツを着ているのが主宰の野本さん、通称ボスです!

 

 

ー普段はどのような活動をされているのでしょうか?ー

 

DriftWood&SmokeyWoodという爬虫類と植物を販売するお店を運営しています。

 

DriftWood(爬虫類)を16年 SmokeyWood(植物)は3年目を迎えました。

 

基本的に”自分の好きな物だけを販売する”スタイルを昔から貫いています。

 

爬虫類部門では日本初入荷の生き物をたくさん扱った事があり有名なところではガラパゴス諸島のウミイグアナを世界初流通させた事が自慢ですね!笑

 

SmokeyWoodではビカクシダを中心に見せる植物をコンセプトに流木や枝コルク、石やガラクタにまで着生させて販売しています。

 

 

IMG_1841-1薄暗い空間にライトアップされた魅惑的な植物に圧倒されました!

 

 

ーWILDWOOD開催に至った経緯を教えて下さい

 

爬虫類のイベントには15年前から参加していてこんな奇妙なイベントでも3万人のお客さんが集まる…

 

植物なら老若男女が楽しめ生活の一部になりやすいそんなジャンルをこのままオークションやネット販売だけで終わらせてもいいのか?という疑問が昔からありました。

 

イベントなら直接話ができ、より良いものを提供でき失敗の無い買い物をしていただけるのではと考え思い切って主催者となり第一歩を踏み出しました。

 

 

IMG_1848生きた苔に着床させた希少なビカクシダ マダガスカリエンセがアンティークの什器で展示されるという新しい試み

 

 

ーイベントの特色・特性はどのようなところでしょうか?

 

 

先ずは「見せる」をコンセプトに徹底的に空間の使い方を熟考しました。

 

ただひな壇に並べて販売するスタイルが嫌で今回はアンテーク家具や什器を使い部屋の一部で飾られているようなイメージで展示する。

 

またブロメリアやチランジア等は天井に吊るし、より植物の本来の位置や形に近ずけて展示する事に気をつけました。

 

ビカクシダも出来るだけ皆さんが見た事の無いサイズを中心に集め出来るだけ高い位置に展示し見上げてもらうスタイルをとりました。

 

 

IMG_1835-1TOKYも影ながら参加させていただきました…

 

 

ー開催されて実際どうでしたか?

 

スタッフのみんな、出展者さまのお陰で初めてにしては出来過ぎですね。
売ると言うよりか楽しむが前に出たイベントだと感じました。

 

売る事は意外と簡単なんです…ある程度のリサーチと値段を安く設定すれば誰でも簡単に売る事ができます。

 

でもそんなやり方で毎回続けれるでしょうか?

 

これは爬虫類でも言える事なのですがせっかく苦労して手に入れた生き物や商品をイベントで安売りしていては数年後商品の価値を自分で下げることになり、思った値段で売る事が難しくなります。

 

最近のお客様はショップのスタイルを良く勉強してくれてて”良いものは高くて当たり前!今買わないともう出会えない!”という意識を持たれています。

 

そうなんです…出会いを大切にされてる方が多い様に感じました。

 

実はそこが狙いだったんです!

 

 

IMG_1830宇宙キノコが生えたガラモン、植物にリンクするようなフィギアなども展示されていました。

 

 

ー今後はどのような展開を予定されていますか?

 

やはり継続は力なり!まずはWILDWOODを続ける事が大切です。

 

スタッフの提案でアンケートをとらせていただきました。その集計を今後の参考にさせていただき皆さんに愛されるイベント作りが目標です。

 

大阪だけではなく中部、関東、九州でも開催したいですね!

 

 

IMG_2666圧倒的な空間だったと思います。

 

 

ーWILDWOODに興味を持たれている人に向けて一言

 

2016 Autumn 新たな森を作るためにスタッフは始動しています!

 

まだまだ手作りのイベントなので色んな方にご迷惑をかけるかもしれません・・・ 自分たちが楽しむ!お客さんと一緒に作り上げる。

 

それがWILDWOODです!

 

 

 

 

雑記

 

WILDWOODにTOKYがお誘いいただいたのが2015年の秋頃でした。

 

TOKYはネット販売と実店舗だけで手一杯なので初めはお断りするつもりでしたが、ボスの熱意と”ただ売るだけでない展示にしたい!”という思いに共感し、夢のお手伝いができればと思い参加させていただきました。

 

大阪ということもあり荷物は全て宅配便で送り現地は当日見ることになったのですが植物を展示・販売するような作りでなくアパレルの展示会などで使われるような空間に私たちも圧倒されました。

 

実際に展示されたものは最高のビカクシダ、ブロメリア、多肉植物等々…植物が良いのは勿論のこと植物とリンクするようなフィギアや作り物の数々、そしてクールなディスプレイ。

 

今までに無い価値観が生まれた瞬間を目撃できて私たちも参加して本当によかったと思いました!

 

秋に第2回が開催される予定ですので引き続きWILDWOODを要チェックですね!!

 

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